着物はサスティナブルな服として注目されている?その理由とは
近年さまざまな業界で「サスティナブル」が注目されています。環境問題に対する世界的な取り組みです。そこで、福岡県では着付け教室への関心が高まっています。サスティナブルな衣服として、着物が注目されているからです。ここでは、着物の環境に対する影響力を紹介します。今だからこそ必要とされる着物の魅力を紐ときましょう。
サスティナブルとは
現在、世界中で環境改善の意識が高まっています。サスティナブルとは「持続可能」という意味があり、将来性のあるものごとや社会をさします。具体的には、使い捨てを避けてメンテナンスや修理をし、長くモノの利用をすることも持続可能の1つです。瞬間的な豊かさで終わらず、継続して発展し続けることが理想的とされています。
サスティナブルは、生活と環境保護を同時進行して地球の将来を安定させることが目的です。今までのように大量生産・大量廃棄をしていては、エネルギーや資源は底をつき自然破壊が進行する一方です。私たちは、個人単位でサスティナブルを意識すべき時代になりました。
日本の着物はサスティナブルな服として注目されている
日常で、衣食住からサスティナブルを意識することは可能です。そこで、衣服において着物が注目されています。着物は時代の変化に流されず、江戸時代から今のかたちで存在しています。将来を考えて長く着続けるには、最適であることが分かります。とても、サスティナブルな魅力を感じる衣服です。ここでは、着物がどのような効果があるかを紹介します。
リサイクル可能な素材
着物の布地はリサイクルが可能です。縫い目をすべてとくと、8つのパーツに分解ができます。それらの柄をあわせながら、直線的に縫い合わせることで、反物に戻すことが可能です。シワを蒸気でとることにより、美しい反物によみがえります。そして、反物から新たな着物を作り直すことができます。世代を超えて何年も1つのモノを大切にする貴重な技術です。無駄な消費、廃棄を減らすことで、エネルギー消費やCO2削減に貢献できます。
違うアイテムに変える
反物に戻すことが可能なので、着物として必要がなくなれば、別のアイテムをつくることが可能です。昔は、使い古した着物は座布団や掃除道具、お手玉として、日用品にリメイクされていました。現代では、巾着や髪飾りなど、おしゃれ雑貨として利用価値があります。無駄なく使いきることができる点は、サスティナブルにふさわしいといえるでしょう。
幅広い季節に着用可能
着物は裏地の調整で、季節に対応可能です。袷といって、裏地がしっかりついている状態は春・秋・冬に着用できます。また、単衣といって裏地がない状態は、初夏や初秋に着用できます。柄や色味をうまく選び、仕立て直すことで、無駄が生じません。洋服であれば、袖の長さや素材で季節を選び、買いなおしが必要です。1つを充分に着まわすことは、過剰な消費や廃棄の習慣を抑えます。洋服に慣れている生活では気づかない点でしょう。
体型の変化に柔軟
着物は大きな平面で仕立てられているので、多少の体型変化があっても着用可能です。太っても痩せても、着付けの工夫や仕立てで継続的に利用できます。そのため、他者が着用してもサイズの問題が生じません。女性の場合、妊娠期にも着ることが可能なほど柔軟です。1人が長く着ることが可能であり、それを受け継いで他者も利用できるので、まさに持続可能なアイテムになります。
着物はジェンダーやサイズに関係なく着用できる
着物は、年齢・性別・体格問わずあらゆる人々が着用できます。着付けの技術や構造は古くから存在しますが、多様性をもとめる現代にぴったりです。ここでは、着物の柔軟性について解説します。
子どもの成長に対する構造
子どもの着物は、大きめに仕立てられているため「揚げ」という工程で、身長に合わせていきます。肩と腰にわけて行うことで、数年間は美しく着ることが可能です。実際、お宮参りに着用する産着・祝着を、七五三にまで利用できます。0歳から7歳までとても長い期間対応可能で、愛着をもって大事に使えます。サイズアウトが数か月で起きる洋服と比べると、サスティナブルを体感できるでしょう。
また、大人の着物を揚げることで、子どもが着用することも可能です。仕立ての技術はとても柔軟であり、モノの価値を高めます。
男女問わず利用できる
着物は形状の違いが男女でありますが、反物に戻すことで仕立て直しができます。そのため一家中が、同じ布地を平等に楽しむことが可能です。また、帯や羽織もののアレンジで幅広くコーディネートができます。1つの反物を個人にあわせる工夫は無限であり、性別の壁を感じさせません。多様性が重視される現代に、価値観が合うファッションでしょう。
まとめ
ファッション業界は一時的なトレンドに左右され、大量生産・大量廃棄がされています。そのなかで、着物は長く着ることが前提であり、工夫次第で活用方法は無限です。まさに、サスティナブルを実現する衣服です。しかし、多くの日本人は、着物が身近ではありません。着付けができないことも多いでしょう。日常で気軽に着物を着ることは、社会問題の改善へ手助けになります。第一歩として、着付け教室で着物に触れてみてはいかがでしょうか。これからのオシャレには、サスティナブルとの共存が必要です。