無料と有料の着付け教室の具体的な違いとは?双方の特徴を掴もう!

公開日:2021/11/01   最終更新日:2021/10/29

「着物をキレイに着こなしてみたい」と思ったとき、着付け教室に通うことが思い浮かぶかもしれません。しかし、世間には着付け教室がたくさんあって、無料も有料もあって……どこを選べばいいのか迷います。そこで今回は着付け教室を探すときの参考になるように、無料と有料の着付け教室の具体的な違いについて解説します。

無料の着付け教室で学ぶ利点

着付け教室は主に、「無料」「有料」「ワンコイン(500円)」と3タイプに分けられますが、ここでは無料の着付け教室で学ぶ利点について説明します。

無料の着付け教室の利点は、「お金をかけずに着物の着方について学べる」ということです。着付け教室では、最初に入会金が必要というところも少なくありませんが、その入会金が不要で、なおかつ受講料も無料というのが特徴です。

もちろん最近ではYouTubeの動画で着付けのやり方を見ることができたり、本で学ぶこともできますが、どうしても自己流になりがちで着崩れが起こりやすかったりします。それが教室に通って着付けの経験者に直接教えてもらえば、独学で覚えるよりもわかりやすく正しい着付けを覚えることができるようになります。

無料の着付け教室は、受講回数が5〜6回ほどで、6名前後のグループレッスンによって行われるのが一般的です。ただし受講料が無料とはいえ、着付けのときに必要な小物類を自分で用意する必要があったり、場合によっては購入することを求められたりすることもあるので、その点は注意が必要です。

でもなぜ無料でできるの?と、多くの方が疑問に感じるところでしょう。その理由は、無料の着付け教室が着物メーカーや問屋などの仲介役となっており、教室の運営費用をまかなってもらうことで成り立っているからです。

ボランティアでもないかぎり当然ともいえる仕組みなのですが、このことは次に紹介する無料の着付け教室のリスクにもつながってきます。

無料の着付け教室で学ぶリスク

無料の着付け教室を受講するリスクは、「高額な着物や帯の購入を勧められることがある」ということです。無料で着付けを教えてもらうかわりに、「着物の販売会」への参加がほぼ必須で、その際に販売員に購入を勧められることになります。

無料の着付け教室を運営していくためには、教室に使っている場所の家賃や光熱費、着付けの講師の人件費などが必要で、その費用を負担しているのは着物メーカーや販売業者です。着物メーカーたちの目的は、着物や関連製品を販売し、着物文化を世の中に広めていくことであり、その利益によって着付け教室が運営できています。

つまり簡単にいうと、無料または格安着付け教室=着物販売で経費回収するビジネスモデル、ということになります。こうしたことから、無料の着付け教室には着物の売り込みがセットになっているということは覚えておいたほうがよいでしょう。

そのため、売り込みが苦手で不要なときでも断る自信がないという方は受講しないほうが無難です。販売会に参加しなければいいのでは?と思うかもしれませんが、講座のカリキュラムの中に販売会が最初から組み込まれていたり、なかなか欠席できないような流れになっていたりするので、実際にはほぼ参加せざるを得ない状況になります。

ちなみに販売会ではなく、セミナーやコーディネート講座という名前になっていることもあるので注意してください。販売会の会場では複数人の販売員に囲まれたり、試着することになってたりしてしまうといった状況もよくあるようです。無料の着付け教室に通う場合には、以上のようなリスクがあることをあらかじめ理解しておいてください。

有料の着付け教室で学ぶ利点

次に有料の着付け教室の利点について解説します。

有料の着付け教室の利点はマンツーマンや2名程度の少人数のレッスンがあるので、「自分のペースで受けられる」というところです。レベルに合わせたレッスンで、まったくの初心者やグループレッスンが不安な方でも安心です。

また有料の教室では、一定の技術をもった講師が指導してくれたり、カリキュラムの内容も充実したりしている可能性が高いです。着付けの講師を勤めるには必ずしも資格が必要なわけではありませんが、有料の教室ならば、多くの場合は民間資格や各教室認定の資格をもった講師が教えてくれます。

それに対して、無料の教室は講師のレベルはさまざまで、中には趣味の延長で教えているような講師も存在するので、ちゃんとした着付けをマスターしたいなら有料のほうがおすすめです。カリキュラムの内容に関しても、着付けだけでなくTPOやマナーやコーディネートなど、10回を超える講座で丁寧に学んでいくことができます。

有料の着付け教室で学ぶリスク

有料の着付け教室では、月謝やチケット制という形で費用がかかるので、習い事にお金をかけたくない方にとっては負担になるでしょう。

しかも、受講料が有料だからといって着物の購入を勧められることが必ずしもないとはいい切れません。そのため、着物を買う予定はなく、ただ着付けのやり方を学びたい、と目的がはっきりしているのであれば、販売会への参加が不要かどうかは事前にしっかりとチェックしておきたいところです。

 

ここまで無料と有料の着付け教室の具体的な違いについて解説しました。無料の教室は着物の販売会への参加がセットになっているので、受講する場合は心がまえが必要になるということ。

有料の教室は自分のペースで確実に学べる一方で、ある程度の費用と、こちらも販売会の参加の可能性があること。以上のようなことをお伝えしました。これから着付け教室をお探しの方はぜひ今回の内容を参考にしてくださいね。

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