着付けの資格にはどんな種類があるの?資格を取得すると得られる効果
将来何かの役に立つ資格を習得したいと考えている方の中には、日本の伝統衣装である着物にまつわる資格の取得を検討している方もいるでしょう。ただし、資格にはさまざまな種類があり、目的や理由によってどのような資格を取得するのか選択するようにしましょう。本記事では、着付け資格の種類や取得後に得られる効果を解説します。
主な着付けの資格
洋服文化が浸透し、普段着として着物を着用している方は少ないでしょう。しかし、結婚式やイベントなどの衣装としては根強い人気があります。そして、着物を着用する際にハードルとなるのが、誰かに着付けをしてもらわなければならないということです。着方を理解し、技術を身に着けている方は問題ありませんが、ほとんどの方はプロに依頼することになるでしょう。
また、着物は洋服と異なり、着物そのものの他に帯や帯締め、裾除け、足袋などさまざまなアイテムを準備する必要があります。つまり着物は、着るのに手間がかかり、必要なアイテムが多いことで、日常的に着る方が減少しているのです。しかし、日本の伝統的な衣装を自分で着られるようになりたい、娘の成人式で振袖を着せてあげたいなどのニーズから、着付けを学習し始める方も珍しくありません。
着物に関する知識を学ぶのは、本やインターネットから情報を入手することも可能ですが、スクールに通うのが効率的です。プロの講師から授業を受けられることはもちろん、実践練習を通じて着付けを学べるからです。そして、スクールのカリキュラムを受講しているうちに、知識や技術向上のために資格の取得を目指したいと考える方も一定数います。
また、将来役立つ資格の取得を目指している方にも、着付け資格の取得がおすすめです。ただし、さまざまな種類の資格があるため、目的や取得後に得られるメリットを理解して取得する種類を選択しましょう。
まず、唯一の国家資格にあたるのが着付け技能士です。着付け技能士は国家資格である分、着付けに関する知識が必要であることはもちろん、受検資格に実務経験が必要です。取得難易度が高い分、資格取得後に得られるメリットが多いことが魅力です。
また、民間資格には婚礼着付けや着付け師、着付け講師などいろいろな種類があります。資格によって取得難易度や試験の有無が異なります。民間資格の中には、初心者でも比較的簡単に取得できるものもあるため、まずは難易度の低い資格に挑戦するのも選択肢です。
資格を取得すると得られる効果
着物の着付けに関わる仕事をしている方のことを着付け師と呼びます。スクールで講師として活躍している方や、美容室・写真スクールなどで着付けをしている人などが挙げられます。着付け師になるには資格が必要だと思われがちですが、実は無資格でも着付け師になれます。
ただし、スクールの講師になりたい、美容室、写真スタジオなどで将来的に活躍したいと考えている方は、資格を取得するのがおすすめです。就職先によっては資格を重要視していることがあり、スキルや知識があることを証明するのに役立つからです。
また、無資格で就業できたとしても、将来キャリアアップを目指すには資格が必要となるケースが多いです。つまり、着付け師になるには必ずしも資格は必要ないものの、資格があることで採用率をアップさせたりキャリアアップを実現できたりすることが得られる効果となるでしょう。
実際に資格を取得するにはどうすればいい?
民間資格は企業や団体、スクールなどが運営・認定しています。民間資格の場合、受検資格や試験の内容、費用などは資格によってさまざまであり、取得したい資格にごとに内容を確認するようにしましょう。
一方、着付けに関する国家資格は着付け技能士のみです。厚生労働省が認可を行っており、知識や技術だけでなく、受検資格として実務経験が必要になるのが特徴です。
具体的には一級が実務経験5年以上、二級が実務経験2年以上で受験資格を得られます。試験は全日本着付け技能センターが年一回のみ実施しています。資格取得までのステップは、受検資格を得た上でまず筆記試験を受けます。
そして、筆記試験合格者のみ実技試験の受験が可能です。筆記試験・実技試験の両方に合格できれば、資格取得となります。試験に合格するには、着付けに関する知識が充分にあることはもちろん、着物の歴史やこまかな着物の部位の名称などの知識も必要となります。受検資格を得るのにハードルがあり、試験難易度も高い着付け技能士は、取得できると価値のある資格の一つだといえます。
着付けに関する資格には、国家資格・民間資格の両方が存在しています。国家資格は着付け技能士だけですが、民間資格にはさまざまな資格があります。着付け師になるには必ずしも資格は必要ないものの、就業先の選択肢が広がったり、将来のキャリアアップにつながったりすることがメリットです。
また、資格によって難易度や受験資格が異なります。たとえば、種類の豊富な民間資格には難易度の高いものもあれば、初心者が合格を目指せるものもあります。資格の取得を通じて何を得たいかを考え、資格の種類を選択するようにしましょう。