着物の着付け方は男女でどう違う?双方の特徴を理解しよう!

公開日:2021/11/15  

着物は男女で着付け方が異なります。男女の着物にはどういった違いがあるのでしょうか。この記事では、着付けの際に役立つ、女性用の着物と男性用の着物それぞれの特徴と着付け時のポイントについて解説します。ぜひ参考にしてみてください。

着物は女性用と男性用でどう違う?

まずについてです。着物を着たときに最も目につくのは袖です。女性用の着物は脇に縫い合わされていない部分があり、この部分を「身八つ口」とよびます。また、体側部分の袖は大きく開いています。男性用の着物には「身八つ口」はありません。袖は腕が出る部分以外は縫い合わせてあります。

次に身丈(着物の肩から裾までの長さ)についてです。女性用の着物はおはしょりを作って着るので、身長程度の身丈が必要です。男性はおはしょりを作らずに着物を着るので身丈=着丈となります。羽織った時に引きずらない、ピッタリの丈で仕立てます。

次にの違いについてです。女性用の着物は「広衿」といい、折って着付けられるよう衿部分が仕立てられています。浴衣などの衿は「ばち衿」といい、最初から折って縫い付けてあります。背中の中心から衿先にかけてだんだん幅が広がるように仕立てます。

男性用の着物の衿は「棒衿」といいます。「ばち衿」と同様に最初から折って縫い付けられていますが、女性用と違い背中の中心から衿先にかけて同じ長さで仕立てます。

にも違いがあります。女性の帯にはさまざまな種類があり、帯幅約30センチを折って巻きつけます。最初から折った幅で仕立てられた帯は「半幅帯」とよびます。

男性用の帯は「角帯」と「兵児帯」の2種類です。「角帯」は固く織られた帯で、帯幅は約センチです。「兵児帯」は子どもの着物にも使われる、やわらかい布で作られた帯です。

着物を着つける際に必要な小物の数は男女で大きく異なります。男性用の着物に必要なのは着物、帯、長襦袢、肌着、足袋、草履の6点です。

女性用の着物の場合はこれに加え、帯締、帯揚、腰紐、伊達締め、帯板、帯枕、コーリンベルト、衿芯が必要となります。ちなみにこれは訪問着の場合で、振袖の場合はもっとたくさんの小物が必要になります。

女性用着物の着付け方のポイント

女性の着付けのポイントは衣紋を抜くことです。衣紋を抜くとは首筋が見えるように衿を背中側にキュッと引っ張り、下げて着ることです。衣紋を抜くことでうなじをキレイに見せ、女性らしさを際立たせることができます。

ただ、衣紋は大きく抜けばいいというものではなく、抜きすぎるとだらしなく見えてしまうので注意してください。また、うなじを見せることになるので、うなじのメンテナンスもしっかりしておく必要があります。

次のポイントはおはしょりです。身丈が長く作られた女性用の着物は、おはしょりをつくって裾の調節をします。左右の身八つ口から手を入れ、前後のおはしょりを、布目を整えておろします。

帯の位置は男性と比べて高めです。胸のすぐ下に胴回りを覆うように巻きます。ウエストパッドやヒップパッド、タオルなどを使ってお尻やおなかまわりのライン、胸元が平らになるよう下準備をしておくと帯の仕上がりが美しくなります。

帯の結び方には「太鼓結び」「角だし結び」「銀座結び」などいろいろな方法があり、結び方によって印象がガラリと変わります。着物の種類によって帯の結び方も異なるので、さまざまな結び方をマスターすることで着物の楽しみを広げることができます。

女性は着物を着る前にヘアメイクやメイクを済ませておきましょう。着物を着た後にメイクやヘアメイクをすると袖が邪魔になったり、着物を汚してしまったりする危険があるからです。

男性用着物の着付け方のポイント

男性用の着物の場合、衿は女性のように衣紋を抜くことはせず、衿を首に沿わせて着付けます。袖山の両端をピンとはって背中心が体の中央に来るようにし、着物の衿が首の後ろにぴったり添うようにして、下前の衿先を左の腰にあててから、上前の衿先を右の腰にあてます。

男性用の着物は身丈=着丈で仕立てられているため、おはしょりを作る必要もありません。男性の場合、帯の位置は腰の部分で、女性の帯と比べてだいぶ下の方で締めます。横から見て帯が前下がりになるようにして、おなかが少し出ているようなシルエットがカッコよく見えます。そのため、ウエストの細い人は事前にタオルを巻いて寸胴に近づけおくのがおすすめです。

着あがりは、上半身がゆったりした感じかどうか、背中心が背中の中心かどうか確認しましょう。男性は歩きやすくするため、着付けがおわったら脚を肩幅以上に開いて腰を落とし、股割りをします。男性の着物を着付ける際は、前衿を詰めすぎないよう気を付けましょう。

 

男女の着物で着方が大きく異なるポイントは衣紋・おはしょり・帯の位置の3つです。男女の着物は仕立て方から大きく異なっていますが、それぞれの着物の特徴を理解して着付けることで、着物の美しさを最大限に引き出すことができます。こちらで紹介した内容を参考にカッコよく着付けをして、着物を楽しんでください。

おすすめ関連記事

SEARCH

READ MORE

着物は日本の伝統的な装いであり、個性や美しさを表現する最高のファッションです。そのなかで、着物と帯のコーディネートは、全体の印象を大きく左右する重要な要素です。そこで着付け教室が大いに役立ち

続きを読む

着物は日本の伝統的な衣装であり、その美しさと格式は、古くから日本文化の象徴となっています。着物を着る際に欠かせないのが「着付け」であり、時代とともに着付けの技術は進化してきました。本記事では

続きを読む

着物の美しさに魅了され、着付けを習いたいと思う方も多いのではないでしょうか。着付け教室に通うと、単に自分で着物を着られるようになるだけでなく、和装の深い文化や技術を理解し、自信を持って着物を

続きを読む

着付け教室を選ぶ際には、とくに子ども向けの教室はカリキュラムの内容や教室環境の入念なチェックが大切です。子どもが楽しく学びながら着付けを習得できるかどうかは、教室選びにおいて重要な要素となり

続きを読む

浴衣の帯結びは、着物の美しさを引き立てる重要な要素です。基本の結び方をマスターしたら、次はアレンジを加えて個性を出してみましょう。本記事では、さまざまな帯結びのアレンジ方法だけではなく、着付

続きを読む

着物を着るのは美しい伝統文化のひとつですが、時間がかかることが多いです。特に忙しい現代人にとって、短時間で着物を着る方法を知りたいと思う方も多いでしょう。この記事では、短時間で着物を着るため

続きを読む

出張着付けサービスは、忙しい現代人にとって非常に便利なサービスです。自宅や指定の場所でプロの着付け師が着物を着付けてくれるため、時間や場所に縛られることなく、特別な日に美しい着物姿を楽しめる

続きを読む

帯揚げと帯締めは、着物のコーディネートにおいて重要な役割を果たします。これらの小物は、全体の印象を大きく左右し、着物姿をより引き立てるための鍵となります。本記事では、帯揚げと帯締めの選び方や

続きを読む

日本の伝統文化において、着物はその美しさと独特なスタイルで知られています。着物を際立たせる重要な要素のひとつが「帯」です。着物の帯にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴的な結び方が存在しま

続きを読む

  着物の足元を飾る足袋ですが、実は選び方にポイントがあるのをご存じですか?着物を美しく着こなすためには、足元の足袋と草履の選び方が重要です。この記事では、フォーマルからカジュアル

続きを読む