着付け技能士はどうすれば取得できる?国家資格取得までの流れとは
資格を習得したいと考えている方の中には、日本の伝統衣装である着物にまつわる資格に興味がある方もいるでしょう。ただし、資格にはさまざまな種類があり、目的や理由によって最適な資格の取得を目指すことが大切です。本記事では、着付けに関する資格の一つである、着付け技能士について解説します。
着付け技能検定の内容とは
洋服文化が浸透している現代では、着物を普段着として着用する機会はほとんどないでしょう。しかし、冠婚葬祭や入学式、卒業式などでは和装がまだまだ人気です。ただし、和装を着る際は、着付けのノウハウや技術がないと自分で着用できません。そこで、和装を着用する場合は、プロに依頼する方が多いのではないでしょうか。
プロに着付けを依頼すると、手際よく、美しく着せてもらうことができ、着物に興味を持つ方が一定数います。また、日本の伝統衣装を自分で着られるようになりたい、将来娘に着物を着せてあげたいという思いから、着付けを学ぶ方もいます。着付けを学ぶにはさまざまな方法がありますが、最も効果的なのはスクールに通うことです。
スクールでは受講者のスキルや経験に応じて豊富なカリキュラムを用意しており、座学はもちろん、実践形式で知識と技術を習得できるからです。そして、スクールに通っているうちに、資格の取得を目指す方も珍しくありません。ただし、着付けに関する資格にはいろいろな種類があります。何を目的として資格するのかを充分に考慮し、最適な資格を習得するようにしましょう。
そして、着付けに関する資格を取得し、将来の仕事やキャリアアップにつなげたいと考えている方には「着付け技能士」の取得を目指すのがおすすめです。着付け技能士は着付けに関する資格の中で唯一の国家資格であり、合格難易度が高いことが特徴です。また、1級・2級がありますが、学科試験と実技試験の両方に合格する必要があります。
さらに、学科試験を受けるためには2級で最大2年の職務経験、1級で最大5年の職務経験が必要です。そして、学科試験に合格した方のみが、実技試験に進めるのです。試験内容が難しいことに加え、受検資格を得るため職務経験のハードルをクリアしなければならないのが着付け技能検定なのです。
着付け技能検定の流れ
着付け技能士の試験は、平成21年からスタートしています。1級と2級の試験があり、受検資格を満たしている方だけが試験を受けられます。
まず、試験を受けるには職務経験が必須です。1級で最大5年、2級で最大2年の職務経験が必要です。職務経験の条件を満たしている方のみ学科試験を受験できます。学科試験に合格できれば、職務試験の受験資格を得られます。
そして、実技試験にも無事合格できれば資格取得となります。また、2級は一般社団法人全国着付け技能センター資格、1級が国家資格となります。つまり、国家資格である着付け技能士として活躍するためには、1級の試験に合格する必要があるのです。
着付け技能検定の難易度
着付け技能士の資格を取得するのは、他の資格と比較して難易度が高いといえるでしょう。ただし、試験内容が合格難易度を高めているというよりも、受検資格を得るのが難しいのです。
たとえば、民間資格である着物文化検定には、1級~5級まで段階が分けられています。3級~5級までは受検資格が設けられておらず、誰でも試験にチャレンジできます。そして、2級は3級の合格者、1級は2級の合格者のみが試験を受けられます。
また、実技試験はなく、学科試験のみで合否が判定されるのも特徴です。試験範囲は公式教本が基本的な出題範囲となっており、教科書をしっかりと勉強すれば合格を目指せるでしょう。
一方、着付け技能士の試験を受けるには、職務経験が必須です。そもそも試験を受けるのに2級は最大2年、1級は最大5年の職務経験が必要なのです。さらに、筆記試験の技能試験の両方に合格した場合のみ資格が取得できます。受検資格を得るのに時間がかかることと、筆記・実技両方の試験にクリアしなければならないことが合格難易度を高めている要因だといえるでしょう。
ただし、着付け師として働く際、必ずしも資格が必要なわけではありません。資格があることで、希望の就業先に採用されやすくなったり、知識や技術があることの証明にありキャリアアップに有利になったりするのです。
着付けにまつわる資格には、さまざまな種類があります。ただし、国家資格は一つしかなく、着付け技能士が唯一の国家資格にあたります。資格を取得することで、将来着付け師として活躍の場が広がったり、希望の就職先に採用されやすくなったりするメリットがあります。
ただし、試験に合格するのは簡単なことではありません。まず、試験を受けるために職務経験が必須です。職務経験の年数は2級と1級のどちらを受験するのかによって異なります。また、試験は筆記試験と職務試験の両方が実施され、双方に合格できれば資格を取得できます。合格難易度が高い分、将来のキャリアアップのために価値のある資格だといえるでしょう。