着物の正しい保管方法とは?ポイントを押さえてダメージを防ごう!
和の雰囲気を味わえる着物は、古くから人々に愛されています。そんな着物を大切に保管したいけれど、どうやって保管すればよいのか悩む人は少なくありません。そこで、この記事では着物の正しい保管方法を紹介します。さらに、収納前のお手入れのポイントについても触れているため、最後までぜひお読みください。
着物の正しい保管方法
着物を綺麗に保管するためのコツは、「正しくたたむ」と「たとう紙で包むこと」です。この2点を意識するだけで、まるで新品のような状態を保てるでしょう。以下で、ポイントを解説します。
たとう紙で包む
着物は、本だたみという方法でたたみます。たたみ方については、ネットや動画でも紹介されているため、一目瞭然でしょう。本だたみを行うことで、次着物を着るとき、シワを伸ばす手間が省けるため、必ず正しいたたみ方をチェックします。正しくたたんだあとは、たとう紙で包みます。「たとう紙」とは、通気性のよい和紙であり、湿気を苦手とする着物がダメージを受けないように守ってくれます。
また、出し入れする際に詰まることがなく、なめらかに動くため取り出しが簡単です。着物を購入したときについてくる和紙をたとう紙と勘違いする人がいますが、そのような和紙よりも湿気を吸う力が強いので、たとう紙は保管に適しています。
ときには風通しをする
たとう紙に包んでいるから湿気に心配することはない、と油断してはいけません。ずっとタンスのなかに保管されている状態だと、いずれ湿気が溜まっていき、生地が傷む場合があります。そうならないためにも、定期的に部屋に干して風通しを行いましょう。
着物をたくさん詰め込まない
着物をたくさんもっている場合、同じ保管場所にまとめたいという人もいるでしょう。しかし、詰め込みすぎての保管は、着物や帯の型崩れや刺繍が崩れるなどのダメージを受けやすくなります。また、せっかく綺麗にたたんで保管したのに詰め込んだことで、着物にシワができるかもしれません。そのため、保管する場所は余裕をもち、3cmほど間隔をあけた状態で収納すると、型崩れになる可能性が低くなります。
収納前のお手入れは忘れずに行おう
一度着用した着物は、汗が付着したり気がつかないうちに汚してしまったりする場合があります。そのため、着用後はすぐに保管するのではなく、お手入れをしてから収納しましょう。ここでは、着物が汚れてしまったときの対応について解説します。
ファンデーションや口紅がついた場合
白いタオルの上に着物を置いて、染み抜きに使われるベンジンをガーゼに湿らせましょう。そして、シミ部分を軽く叩きます。そのとき、着物の下に置いたタオルが汚れたら位置を変えていきます。これらの作業を数回繰り返します。つい、こすりたくなりますが、こすることで汚れが広がる場合があるため、必ず叩くようにしましょう。
コーヒーや醤油がついた場合
ファンデーション同様、タオルの上に着物を置きます。水で15倍ほど薄めた中性洗剤をガーゼにつけて、シミ部分を軽く叩きます。このときも下のタオルが汚れたら位置を変えて、何度か繰り返しましょう。最後は水を湿らせたガーゼで叩きながら中性洗剤を流します。こちらも、こすらずに叩くことを意識しましょう。
着物が汚れたときの対処法を紹介しましたが、はじめて着物を扱う場合は無理にする必要はありません。自分で試してみて、汚れが悪化しては元も子もないため、着物専用のクリーニングにお願いしたほうが賢明です。
着物を保管する際に注意するべきポイント
着物のたたみ方や保管ポイントを把握した上で、保管するときの注意点を紹介します。注意点を把握しておけば、着物のダメージが受けにくくなります。
湿気に注意
先述したとおり、着物は湿気に弱いので、湿気を吸収することで着物が傷んでしまうかもしれません。引き出しのなかにたとう紙以外の紙は入れないように気をつけましょう。
複数の防虫剤を使用しない
ダニなどの虫から守るために、たくさんの防虫剤を入れてしまいがちですが、さまざまな種類の防虫剤を入れることで、かえって着物が汚れてしまう場合があります。また、香り付きの防虫剤は着物ににおいが移り、生地が傷む可能性もあるため、防虫剤を使うときは無臭タイプがおすすめです。
また、防虫剤を置く場合は、たとう紙の上ではなく離れた場所におきましょう。市販で着物用の防虫剤が売られているので、専用のものを使用する方がダメージを受けにくいです。
たとう紙の交換
1年に1回はたとう紙の交換をしましょう。たとう紙は湿気を吸収しますが、永続性はありません。効果が弱くなると、湿気から着物を守る力がなくなり、着物が傷んでしまう危険性があります。たとう紙にシミのような汚れを目にしたら交換のサインです。
着物は素材ごとに分ける
着物にひっつく虫は、素材ごとで好物が異なります。多くの虫が、引き出しのなかのような薄暗い環境を好むため、さまざまな素材を一緒に保管していると、着物が虫にやられてしまうかもしれません。保管する際は、ウールやカシミアなど、素材ごとに分けて保管して虫によるダメージを防ぎましょう。
まとめ
着物の状態を長くもたせるためには、正しいたたみ方とたとう紙に包んで保管しましょう。また、定期的に室内に出して風邪を通し、湿気を防ぐことも大切です。また、着物を着る機会を増やして、外の風を吸わせるのも方法のひとつです。はじめて着物を保管する人にとっては覚えるとだらけで、頭が混乱するかもしれません。不安な場合は、着物専門店に問い合わせるなどの工夫してみてはいかがでしょうか。